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現実とファンタジーが渦巻く... 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』

2012.05.20.Sun.19:10
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』

原題: Werckmeister harmóniák
製作年: 2000 年
製作国: ハンガリー=ドイツ=フランス
監督: タル・ベーラ
出演: ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ、ハンナ・シグラ

werckmeister_poster

[あらすじ] (引用: MovieWalker
ハンガリーの荒廃した田舎町。ヴァルシュカ・ヤーノシュ(ラルス・ルドルフ)は、天文学に興味のある郵便配達。彼は靴職人の工房に部屋を借り、仕事と家の往復の中、老音楽家エステルの世話をしている。エステルは、18世紀の音楽家ヴェルクマイスターへの批判をテープに口述記録していた。そんなある日、街角に一枚の張り紙が貼られる。“夢のよう!”“自然界の驚異!”“ 世界一巨大なクジラ!”“ゲストスター、プリンス!”――エステル夫人が、風紀を正す運動に協力するようエステルを説得して欲しいとヤーノシュを訪ねてくる。広場に何かが来ているという噂を耳にし、ヤーノシュが広場に向かうと、そこにはトラックを取り囲む数え切れないほどの住人たち。トラックの荷台が開き、乗り込んだ彼が目にしたのは、巨大なクジラだった。不気味に光るクジラの目に魅了されるヤーノシュ。そんなヤーノシュをよそに、街では次々と暴動が起こる。炎が上がり、爆発が起こり、群衆が集まる。彼らは病院に向かうと、患者を次々と襲っていく。ヤーノシュはひとり破壊されつくした街を徘徊し、とうとうヘリコプターに追跡される。言葉を失ってしまったヤーノシュを見舞うエステル。彼が広場に向かうと、そこにはあのクジラがすべてを見ていたかのように横たわっていた。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


昨年、タル・ベーラ監督の 『ニーチェの馬』 を見て、その哲学的世界観に魅せられた。やはりもう少しタルベーラ作品を知りたいと思っていたところ、ちょうど限定上映をやっていた本作にめぐりあえた。しかしながら、難解とは聞いていたものの、この作品について語ることは容易ではない。

あらすじ (上記) を読んでも、どういうストーリーなのか皆目分からないと思うが、映像で確認した後でも、理解に苦しむばかり。現実とファンタジーが渦巻き、秩序と無秩序、和音と不協和音が奥深く入り組んでいる。セリフは少なく、映像から汲み取るべきものが多いが、とうてい理解に達することなどできない。それでも、忘れられない映像の数々が頭に焼き付いているのが不思議だ。

サーカス団が広場に持ち込んだクジラ。
モノクロに浮き上がる石畳。
暴動の人の波。
広場で人々が暖をとる炎。

145 分という長尺にもかかわらず、わずか 37 カットで長まわしを中心としたモノクロの構成になっている。編集というものをことごとく拒否したような時間の使い方。時間の流れに手を入れていない。
 
一体、タル・ベーラ監督は何を言おうとしているのか。

「永遠の衝突について ─ 本能的な未開と文明化を巡る数百年の争い ─ 全東欧のこの 2 世紀を決定付けた歴史的経緯に関する作品」 (公式サイトより) なのだと。

衝突とは? 文化と非文化の衝突なのか、政治的混迷なのか、社会における価値観の変遷なのか。いずれにしろ哲学的な命題のようだ。

タイトルになっているヴェルクマイスターとは、17 世紀半ばから 1 8世紀初頭に実在したドイツの音楽学者でありオルガン奏者。

「今日も使われている、1 オクターブを 12 の半音で等分した責任者だ。よってヴェルクマイスターは、調律の技法を編み出した人物とも言え、その調律法を "ヴェルクマイスター音律" と言う」(公式サイトより)。


ラスト、広場に横たわる世界一のクジラの目が見つめているものは何だったのだろう。ワタシの頭の中はただ混沌としているだけで、整理などできない。「まるで夢のよう!」 というキャッチコピー通り、本作を見ながら、ただ夢想をむさぼっていただけのようでもある。

参照: 公式サイト
http://www.bitters.co.jp/werck/index.html


◆ Pros
- モノクロの映像美
- 現実とファンタジーの中で、哲学的世界観に浸る

◆ Cons
- 難解
- 長尺

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