スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モノクロとカラー... 『ある秘密』

2012.05.21.Mon.02:21
映画の国名作選 V フランス映画未公開傑作選
『ある秘密』

原題: UN SECRET
製作年: 2007 年
製作国: フランス
監督: クロード・ミレール
出演: セシル・ド・フランス、パトリック・ブリュエル、リュディヴィーヌ・サニエ、ジュリー・ドパルデュー、 マチュー・アマルリック

un-secret

[あらすじ] (引用: MovieWalker
1985 年のパリ。フランソワ (マチュー・アマルリック) の勤務先に 1 本の電話がかかってくる。高齢の父マキシムが家を出たきり戻ってこないと聞いたフランソワは、実家に向かいながら、子供時代のことを思い出す。ひとりっ子で引っ込み思案の病弱な子供だったフランソワは、体を鍛えるのが好きな父マキシム (パトリック・ブリュエル) と、水泳のチャンピオンでモデルだった美しい母タニア (セシル・ド・フランス) と暮らしていた。運動が苦手で両親に負い目を感じていたフランソワは、いつしか心の中に運動神経が抜群な “空想の兄” を作り出していた。フランソワのいちばんの親友ルイズ (ジュリー・ドパルデュー) は、向かいの店でマッサージ店を経営していた。ある日、フランソワは、ルイズから両親の過去を聞き出す。タニアと一緒になる前、マキシムはユダヤ人のアンナ (リュディヴィーヌ・サニエ) と結婚していた。アンナとマキシムの間に息子シモンが生まれるが、ナチスのユダヤ人弾圧は日に日に厳しくなり、アンナは情緒不安定になっていく。一方で、マキシムは、結婚式で出会ったタニアに魅かれていた。ナチスの手が迫ると、アンナとシモンは田舎に脱出するが、取り返しのつかない悲劇が起こる。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


本作は、『エル』 読者大賞を受賞したフィリップ・グランベールの同名小説を映画化したものである。第二次世界大戦下、フランスのとあるユダヤ人一家に起きた悲劇を描いたもので、現在と過去を行き来する。現在はモノクロ、過去はカラーで描かれている。

第二次世界大戦下のフランスで、フランス政府がナチスに協力していたという事実を扱った作品の代表格には 『サラの鍵』 (2010) があげられるが、本作は同時代を扱っているものの、子供の視点からとらえた男女の愛を巡るストーリーになっている。

豪華なキャスト、抒情豊かなタッチのストーリーで、劇場公開されてもよさそうなものなのに、この作品が未公開作品というのはなぜなのだろう。『サラの鍵』 のような社会派のテーマを深く追求したものではないが、時代に流れに身を任せた人々の姿がリアルに映し出されている。

パンチには欠けているものの、悲劇を生み出す過程を描いたストーリーラインは丁寧で、小説を読み聞かせてもらっているような安堵感さえも感じる作品である。

過酷な時代背景が男女の愛の物語を悲劇に変えたのではなく、愛の歪みが悲劇を自らたぐりよせてしまったのだ。あのアンナの突拍子もない行動は、精神的な不安定さからきたものなのか、それとも夫マキシムを惹きよせるタニアに対する嫉妬とプライドからきたものなのか。タニアが息子シモンを巻き込んで、ナチスの元へ身を投げたことが理解できないが、そんな抵抗は浅慮だと非難することもできないもどかしさも残った。

アンナの行動を、タニアとマキシムはどう考えたのだろうか? ここで描かれていない空白の時間によって、タニアとマキシムの罪悪感は癒されたのだろうか? 

現在と過去を行き来するも時系列の混乱はないが、なぜ現在はモノクロで、過去はカラーなのか...色分けするならば、通常、逆になるような気がする。この疑問はパンフレットに回答があった。

もともとアイデアはあったそうだが、「原作では現在起きていることのすべてが過去時制で書かれ、過去の出来事のすべては現在時制で書かれている」 と、原作の文章からも発見があったのだと。



◆ Pros
- わかりやすく丁寧なストーリーライン。

◆ Cons
- パンチ不足。

コメント

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。