スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

感性が試されるとき... 『もう少しだけ近くに』

2012.07.05.Thu.13:26
真!韓国映画祭 2012
『もう少しだけ近くに』

原題: 조금만 더 가까이
製作年: 2010 年
製作国: 韓国
監督: キム・ジョングァン 
出演: ユン・ゲサン、チョン・ユミ、ユン・ヒソク 

much closer_poster

[あらすじ] (引用: Cine21
秋、街路樹のある道。閑静なカフェに'アンナ'という女を探す見慣れない男の電話がかかってきた。ロッテルダムのポーランド人クルジエク。なぜ彼女が何も言わずに去ったのか。
ゲイだという噂のあるヨンスにセヨンは積極的に近づく。慣れなくてぎこちないが関係ない。
雨が降る夕方、ストーカーのごとくしつこく現れたかつての恋人ウニ (チョン・ユミ) にヒョノ (ユン・ゲサン)はついに泣いてしまう。恋愛身体障害者になったという彼女。別れても彼らの縁はまだ終わらないのか?
女が好きになったというヨンスの告白に絶望するウンチョル。
チュヨン (ユン・フィソク) の情けない男の話にぼろぼろになった愛を感じるヘヨン (ヨジョ)。
5 つの壊れた愛に関する話。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


オムニバス形式で綴られた 5 つの愛の物語。

冒頭、ポーランド人が別れた女を捜してカフェに電話をかけるという最初の話は、スクリーンの中にスクリーンがあるような小さな枠の中で映像が流れ、2 つ目のストーリーに入って、その枠が拡大されてクローズアップされて、「もう少しだけ近くに」というタイトルが流れる。このタイトルロールの見せ方は、観客がもう少し近寄って映像の中を覗き込むような仕掛けになっていて粋な計らいだ。

「短編映画の感性の番人」 と称賛されてきたキム・ジョグァン監督の初の長編作。

短編を得意とする監督だけあって、5 つのストーリーはそれぞれが独立性を持っているため、個別でも充分に短編として成立する。本作は、短編をつなげてオムニバスにしたのではなく、オムニバス形式の長編であるため、各ストーリーが独立性を持ちながら、同時にストーリー同士が隅っこで絡むような仕上がりになっている。

壊れかけた愛、壊れた愛に焦点を絞ったストーリー。壊れゆく愛に人はどう向き合うのか。感情が抑えきれず、どこか生生しく、醜い姿をさらすことさえある。脆く、危うく、密やかなカップルの関係を、絶望、執着、曖昧さでとらえ、怜悧で研ぎ澄まされた感性の視点が冴えている。

壊れゆく愛に向き合う人の姿は、築きあげていく愛に向かっていく人の姿とはずいぶん異なるようだ。築きあげた頃のことは忘れてしまうものだろうか。

感覚的な作品であるため、各ストーリーには結論や終着点は見えない。そうしたもの見えてしまうと感覚的な作品ではなく、単に抒情的な作品になってしまう。築きあげられた愛が壊れるとき、人は心だけでなく体も揺れ、震えて嘆き悲しむもので、そうした姿を断片的に見せている。


◆ Pros
- 短編製作の旗手の長編オムニバスを堪能する。
- 感性が試される
- 多様なキャスト

◆ Cons
- 感覚的な作品なので感性が合わなければ堪能できない。


コメント

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。