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どこに向かって... 『道 白磁の人』

2012.07.05.Thu.16:17
『道 白磁の人』

製作年: 2012 年
製作国: 日本
監督: 高橋伴明
出演: 吉沢悠、ペ・スビン、酒井若菜、石垣佑磨、塩谷瞬、黒川智花、近野成美、市川亀治郎、堀部圭亮、田中要次、大杉漣、手塚理美

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[あらすじ] (引用: MovieWalker
1914 年、林業技師の浅川巧 (吉沢悠) は朝鮮半島へと渡った。荒れ果てた朝鮮半島で、浅川は 「自然法に帰せ、それより道はない」 という信念に基づき、多くの山林を緑化復元して自然との共生を目指す。何よりも地に根差した活動をし、現地の人々を理解しようとする浅川。緑化を進める一方、私欲を捨て、貧しい子供達が学校に通えるようにするために少ない私財を費やす。激動の時代に自らの信念を貫き通そうとする浅川の姿に、多くの人が感銘を受けた。1931 年に 40 歳という若さで生涯を閉じた浅川巧の数奇な人生を綴る。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


江宮隆之著の小説 「白磁の人」 を原作とした本作は、大正時代、日本による植民地統治下にあった朝鮮半島に渡り、植林活動に従事し、兄伯教とともに美術・工芸品の保護、学校建設などに私財を投げ打ち貢献した林業技師・浅川巧の話。また、彼と主に仕事をしたチョンリムとの友情を軸としている。

紆余曲折を経てようやく完成に漕ぎつけたという製作秘話は韓国映画ファンの間でもすでに知られていたところだが、この作品が昨今の韓流ブームに乗って公開されたということは、喜ぶべきなのか。

非常に素晴らしい素材であることは確かなのだけれど、正直なところ期待以下の作品だった。

何が期待以下かというと、日本側の若手キャストの演技があまりに稚拙。どういう演出をしているのかな。韓国側のぺ・スビンが風景に溶け込んでいた上、自然な演技をしていたこともあって、より一層その稚拙さが目立った。柳宗悦役にあのお騒がせ俳優の塩谷瞬とは、冗談かと思った (笑)。

経年で年をとっていく姿も、いまどき TV ドラマでももう少しまともなメイキャップ、年相応の立ち振る舞いや語り口をするもの。困難な製作現場だったからという言い訳は、この手抜きには通じないと思う。

また、この作品の基軸は一体何なのか?浅川とチョンリムの友情なのか、植林事業にかける浅川の情熱なのか。どちらも中途半端なのだけど、どちらかというと友情物語が色濃くて情緒的で、互いの葛藤が深く掘り下げられたものでなかった。そして、浅川の農業技師としての業績はややおなざりで、客観的な側面に乏しかった思う。ただ山を歩いているシーンだけでは説得力がない。

本作で一番印象的だったのは、葬儀のシーン。3 つの葬儀のシーンが出てくる。

一つ目は、韓国の葬儀で、チョンリムの友人が亡くなった時のもの。
二つ目は、日本の葬儀で、浅川巧の最初の妻が亡くなった時のもの。
そして三つ目は、浅川巧の葬儀。地元に貢献し、朝鮮人からも慕われた浅川の人柄の表れなのか、朝鮮人も浅川の棺を担ぎ、朝鮮と日本の合同葬のような形式で日韓交流の象徴的なシーンとなっている。

あの時代に、日本と朝鮮の溝を埋めた浅川の功績は賞賛に値すると思う。このせっかくの魅力的な素材、もう少しうまく生かせなかったのか残念でならない。原作小説を読んだ方が良さそうだ。

そして、日韓併合時代を描いたコンテンツは、一般的には物珍しいかもしれない。非常にセンシティブで複雑な話であるはずなのだが、韓国側で製作されたこれまでのドラマや映画では、双方の関係は一律的に描かれることが多い。日本で製作された本作も、もれなくその域を出ておらず、日本ならでは視点に欠いていたことがさらに残念。


◆ Pros
- 魅力的な素材

◆ Cons
- 若手キャストの演技、演出に難あり。
- 一律的な描写。深いところを掘り下げた内容は見られない。


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