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現実と幻想の間をトリップ... 『ミッドナイト・イン・パリ』

2012.07.05.Thu.17:16
『ミッドナイト・イン・パリ』

原題: Midnight in Paris
製作年: 2011 年
製作国: アメリカ=スペイン
監督: ウディ・アレン
出演: オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マイケル・シーン、キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、マリオン・コティヤール

paris_poster

[あらすじ] (引用: MovieWalker
ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)とともに愛するパリを訪れる。娯楽映画のシナリオ執筆に虚しさを覚えているギルは、作家への転身を夢見て、ノスタルジー・ショップで働く男を主人公にした処女小説に挑戦中。パリへの移住を夢見ていたが、お嬢様育ちで現実主義者のイネズは、安定したリッチな生活を譲らない。そんな 2 人の前に、イネズの男友達ポール(マイケル・シーン)が登場。イネズと水入らずでパリを満喫しようとしていたギルにとって、彼は邪魔者でしかなかった。そうして迎えた第 1 夜。1 人で真夜中のパリを歩いていたギルは、道に迷っているうちに午前 0 時がまわり、いつの間にか 1920 年代のパリに迷い込んだ。そこで出会ったのはスコット・フィッツジェラルド夫妻に、ピアノを弾くコール・ポーター、パーティの主催者ジャン・コクトー。ギルは憧れの時代の人々と出会い舞い上がる。

第 64 回 カンヌ国際映画祭 オープニング作品

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


前作はバルセロナが舞台だったが今作はパリが舞台のウディ・アレン監督作品。ハリウッドの脚本家が、憧れのパリで古き良き時代を体験し、懐かしみ、慈しむ物語。

ラブコメディかとも思わせる滑り出しだが、ロマンス劇ではなくファンタジー文化体験劇とでも言おうか。タイムスリップという、いかにもなハリウッド的手法を取り入れながらも、教養を試される、文芸学的アイロニーたっぷりの大人のためのスリリングな物語。

ハリウッドの脚本家ギル。ワンパターンなハリウッド作品には嫌気がさしていて、小説家に転向することを夢見ている。1920年代のパリに憧れるこの懐古主義な男、現代社会ではやや KY な男であるが、売れっ子作家なのでそこそこモテるのだろう。この男の存在そのものが、映画界の風刺画の主人公のようで、現代社会のアイロニーモデルとなっているところが面白い。

懐古主義のギルはパリの街で午前 0 時を過ぎるとタイムスリップ。シンデレラは午前 0 時を過ぎると現実に戻ってしまうのに。いや、シンデレラの現実は仮の姿なのだから、本当の姿は午前 0 時までなのか...などなどあれこれ考えていたら、どこまでが現実で、どこまでが幻想なのか分からなくなってきて迷走...。

タイムスリップ先で様々な著名人に会い、舞い上がるギル。しかし、そこで見たものは、いつの時代も人は現在に満足することができず、過去の栄光の時代であるそれぞれのゴールデンタイムに憧れを抱いている。振り返ることは悪いことじゃないと。

現代に生きるギルは 1920 年代のフランス・パリがサイコーという。
1920 年代に生きるパブロ・ピカソの愛人アドリアナはベルエポックがサイコ―という。
ベルエポックの時代に生きるモジリアニ、ロートレック、ゴーガンたちはルネサンスがサイコ―という。

過去は過去を呼び覚ましていく。現在の原点はどこにあるのかといえば、それは過去。現在の姿を追求する必要性に迫られなければ、過去はどうでもいいのかもしれない。

「過去には興味ないの、私が興味あるのは未来だけ」とアメリカに住んでいた頃、親しくしていたアメリカ人が、そう私に言い切ったことがあったのだけど、その時、「ああ、アメリカ人だな」と苦笑してしまった。いかにも歴史の浅いアメリカ人が言いそうなことだと思ったから。もちろんすべてのアメリカ人をひとくくりにするつもりはないけれど、そういう話をよく耳にしたのは確か (1990 年代の話ですよ)。

だからよけいに、ハリウッドの売れっ子ライターというトレンドの先端にいるにも関わらず、ゴールデンタイムを探し求めているという懐古主義者の姿がアイロニーだなと思ったのだ。

パリ滞在中に何度もトリップするギル。あの後もトリップするのかしら? 物理的な旅行よりも時間旅行の方が楽しそうだ。さて、私にとってはどの時代がゴールデンタイムなのだろうか。



◆ Pros
- 軽快なストーリ―展開
- 現実と幻想の間を自由にトリップする楽しさを味わう
- アイロニーの妙

◆ Cons
- 多少、フランスの歴史文化知識要


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