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フランス映画祭2012 『愛について、ある土曜日の面会室』

2012.07.05.Thu.23:53
フランス映画祭 2012
『愛について、ある土曜日の面会室』

原題: Qu'un seul tienne et les autres suivront
製作年: 2009 年
製作国: フランス
監督: レア・フェネール
出演: ファリダ・ラフアド、レダ・カティブ、ポーリン・エティエンヌ

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[あらすじ] (引用: フランス映画祭公式サイト
ステファンは病院へ血液を運ぶ仕事をしているが、仕事も、恋人エルサや母親との関係も上手くいっていない。そんなある日、トラブルに遭ったエルサを助けてくれたピエールと知り合いになる。彼はステファンの顔を見るなり驚いた反応を見せ、ある奇妙な依頼を持ちかけるのだった。
ゾラは息子が殺されたという知らせを受ける。突然の訃報に打ちひしがれる彼女は、息子が殺された理由を知るため、アルジェリアからフランスへと渡る。そして、加害者の姉セリーヌと知り合いになり交流を深めていく。ある日、親類が誰も面会に訪れないと嘆く彼女に、ゾラは自分が会いに行くことを提案する。
ローラはボーイフレンドのアレクサンドルと楽しい日々を過ごしていたが、ある日アレクサンドルが警官に暴行をはたらき逮捕されたと連絡を受ける。面会を試みるも、未成年の彼女では保護者がいなければ面会は出来ない。そこで、偶然知り合った病院スタッフのアントワーヌに付き添いを頼むのだった。
ある土曜日の朝、3 人はそれぞれの思いを胸に刑務所の面会室へと向かう。

2009 年 ヴェネチア映画祭正式出品

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

本作は、「ヴェネチア映画祭で絶賛され、ルイ・デリュック賞新人監督賞を受賞した、女性監督レア・フェネールの鮮烈なデビュー作」 である。

長編デビュー作とは思えないほどの完成度の高さにまず驚く。成熟した視点、練りこまれた編集、ラストの収束力に勢いがあるストーリー構成などどれをとっても洗練されたフェネール監督の演出力に加え、多彩なキャストにも魅了された。

本作は 3 つのストーリーが並行して走り、刑務所の面会室という場所で 3 者 3 様のドラマが展開する。オムニバス形式のようでもあるが、個々のストーリーは独立していて相互関与はないにも関わらず、エッジを利かせながらスムーズに繋ぎ合わされていく。

刑務所の面会室という独特の舞台に登場するのは... 。
自分の息子を殺した犯人に向き合う母親。
恋人に会いにやって来た少女。
身代わり脱獄を手伝う男。

罪だとか罰だとか、社会問題とか、そういうことを取り上げているのではなく、ひたすら人間と人間の距離を探るヒューマンドラマであるが、ドキュメンタリーを思わせるような冷静なカメラの視点も際立つ。感傷的になりすぎず、カメラと人間の距離もまた、遠すぎず近すぎず、絶妙な押しと引きが感じられる。

クライマックスは 3 人が向かった面会室の場面である。人々の感情がドロドロと渦巻くのを横目に、カメラはブースをひとつづつゆっくり通り過ぎていく。面会室のあちこちから聞こえてくる人々の声は、市場の喧騒を思い起こさせ、全体が勢いよく最終段階へと収束していく。

バラバラだった 3 つのストーリーが面会室で収束し、やがて昇華するのは、結末を語りすぎない余韻を残すラストシーンだ。不安と期待のまじりあった日常に戻り、散り散りになる人々。淋しげな情景がぐっと心に迫ってっくる。


◆ Pros
- 新進女流監督のエッジの利いたストーリー構成。
- ヒューマンドラマとドキュメンタリーの緩やかな合成。
- 個性豊かなキャストの感傷的になりすぎない演技。



参照:フランス映画祭 2012 トークショーレポート
http://www.unifrance.jp/festival/2012/report/2012/06/622-1.html

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