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生と死を見つめる... 『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』

2012.07.26.Thu.23:13
『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』

製作年: 2011 年
製作国: 日本
監督: 若松孝二
出演: 井浦新、満島真之介、岩間天嗣

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[あらすじ] (引用: goo 映画
数々の名作を著し三島由紀夫(井浦新)はノーベル賞候補と目される文豪になっていた。その一方で、学生運動全盛期の 1968 年、三島は民族派の学生らとともに楯の会を結成。有事の際には自衛隊とともに出動し、命を賭す覚悟であった。しかし暴動が起きても機動隊がこれを治め、自衛隊の出る幕はなく、三島と楯の会の面々は歯噛みする。三島の見つめてきた二・二六事件、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件、安田講堂事件をはじめとする学生運動、戦後の日本とは。そして、1970 年 11 月 25 日、三島は楯の会の 4 人と共に、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へと向かう

第 65 回 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 正式出品

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

ひょんなことから、この作品を見ることになった。井浦新が ARATA から改名して出演した最初の映画作品。改名は、大河ドラマ 『平清盛』 で崇徳上皇を演じるにあたって彼自身が考え抜いた決断だったのだそうだが。

ともあれ、ちょうどテアトル新宿で若松監督、井浦新、満島新之助の舞台挨拶もあるというので駆けつけてみた。

正直なところ、私個人は、文豪としての三島由紀夫の方に興味があり、政治活動家としての三島には興味が持てないなと思っていた。

三島が自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をした事件は、歴史の教科書にも載っているし、当時のあまりにも有名な映像だって何度も目にしているものの、その行動があまりに極端で、過激すぎて、自分の理解を超えるものだと漠然ととらえていたので、あえて知る必要もないと思っていた。

この作品では、私があえて避けて通っていた部分がどういうものだったかという過程が描かれていて、空白の部分が埋まった感じがした。

三島と若者たちが、世の中の憂いを問い続け、絶望に至ったこと。絶望からの脱却に、蹶起という選択をしたこと。死を以てして生を昇華させること。

三島のとった行動が、哲学的、観念的な究極の美意識のせいなのか、あるいは社会や自己に対するコンプレックスなのか、イデオロギーのためなのか。そうした研究分析はありあまるほどあるだろうけれど、本作を見て強く感じたのは、三島の人間くささと純粋さである。

すでに作家としての地位も名誉も手にしているにもかかわらず、社会から自らを孤立させてまで、三島が貫き通したかったことは、生半可に生きていたくない、自分の生を堕落させたくないということで、これは、誰もが人生において願っていることなのではないかと思った。

もちろん普通の人ならば、わかっていても日常に妥協してしまうことが多いのであるが、三島はその意志に対して忠実で純粋であり、人生の締めくくり方を究極の形にして見せたのではないかと思う。

誰もが知っている三島を演じる井浦新は、さぞかしプレッシャーを感じただろうと思ったら、「モノマネをするわけじゃない」 という監督の言葉に背中を推されたそうだ。井浦新は、三島が果てた当時の年齢よりはるか年下であるが、品と落ち着きがありながら、純粋であるがゆえにどこか脆さを抱えているようなところがあってよかった。

三島とともに果てた青年森田必勝を演じた満島真之介も、一心に突き進む若さに満ちていて好感が持てた。


◆ Pros
- 活動家としての三島の側面を見る。

◆ Cons
- センセーショナルなクライマックスの描き方が単調。

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