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人類はどこへ向かっているのか... 『인류멸망보고서 / 人類滅亡報告書 (原題)』

2012.08.01.Wed.14:48
韓国版
『인류멸망보고서 / 人類滅亡報告書 (原題)

原題:인류멸망보고서
製作年: 2011 年
製作国: 韓国

dooms_poster

「素晴らしい新世界」
監督:イム・ピルソン
出演:リュ・スンボム、コ・ジュニ、キム・ルェハ、イ・カニ、ファン・ヒョウン
家族が海外旅行に旅立って一人残された研究員ユン・ソグ (リュ・スンボム) は、デートの約束のためにゴミを分別せずに捨てて家を出る。ユミン (コ・ジュニ)とおいしい肉料理を食べ、クラブで遊ぶ。彼女とキスの途中、襲ってきた高校生たちを怪力でなぎ倒したソグのからだに異様な変化が起こる。街を覆ったゾンビの群れ、狂牛病でも鳥インフルエンザでもない怪ウイルスの正体を突き止めようとするマスコミのバカ騒ぎ。ソウルの街は滅亡に向ってひた走る。


「天上の被造物」
監督: キム・ジウン
出演: キム・ガンウ、ソン・ヨンチャン、キム・ギュリ
ロボットが人間の労働に代わる未来。天上社のガイドロボット RU-4 が、自ら悟りを開いて説法する域に達する。これを人類への威嚇と見なしたメーカー UR は解体を決めるが、彼をインミョン僧と呼んで崇拝する僧侶たちは反対する。解体直前の一触即発の瞬間に、UR のエンジニアであるパク・トウォン (キム・ガンウ) が上部の決定にもかかわらず、インミョンの前に立って防ぐ。

「ハッピーバースデー」
監督: イム・ピルソン
出演: ソン・セビョク、チン・ジヒ、イ・スンジュン、ユン・セア、ペ・ドゥナ
ビリヤード狂の父の 8 番ボールをつぶしてしまった小学生パク・ミンソ (チン・ジヒ) は、正体不明のサイトにアクセスしてビリヤードボールを注文する。しかし 2 年後にビリヤードボール形の怪彗星が地球に向かって接近し始め、滅亡の危機にミンソ一家はオタクの叔父 (ソン・セビョク) が設計した地下防空壕に避難する。そして 7 年後、途方もなく明るい光に誘われるようにミンソ (ペ・ドゥナ) は勇敢に地上へ向かう。

(引用: innolife)


◆ ◆ ◆ ◆


本作は、今年 4 月に現地で公開されたものの酷評の嵐。酷評と聞くと、ムズムズしてどうしても見たくなるものだ。SF ジャンルは不毛だと言われている韓国映画界にあっての野心作。

当初の企画では、イム・ピルソン監督、キム・ジウン監督、ハン・ジェリム監督の 3 監督による SF オムニバスという企画だったはずだったが、その後、ハン・ジェリム監督が降板。イム・ピルソン監督が 2 作品製作して、キム・ジウン監督の 1 作品を挟んだ構成となっている。2006 年にすでに撮影を終えていたものの、その後なぜか公開されず、お蔵入りかと思われていた。

酷評されるには理由があって、この作品は非常に作家性の強いマニアックな SF 作品として仕上がっている。作家の世界観を少しでも理解しておくとか、心の準備が必要かもしれない。個人的にはかなり楽しめた作品。

キャストは、カメオ、友情出演を含めて豪華で楽しめる。


「素晴らしい新世界」

イム・ピルソン監督ワールド全開! この監督の過去の作品を見ておけば別に驚くこともありませんが、何も知らずに見ると、「げぇっ」 ということになるかもしれない。寓話的なおどろおどろしさには舌を巻く。

リュ・スンボムがどんどんゾンビに成り果てていてく過程を追いつつ、出来上がったスンボムゾンビは、リアルすぎて怖いぐらい。

享楽にふけって生きていくと、人間は自ら人間であることを捨て、生ける屍=ゾンビに成り果ててしまうのか。しかし、新しく形成されたゾンビの世界にも創世記があるなんて... とっても斬新な視点。

カメオに映画監督のポン・ジュノ。そして一瞬だけキム・ムヨルも顔をのぞかせている。友情出演にドラマ 『ザ・キング 2 Hearts』 のユン・ジェムン。



「天上の被造物」

ロボットの名前がインミョン=人命。意味深である。このロボットが悟りを開くという奇想天外な物語。キム・ジウン監督の作品にしては、ずいぶんとストーリー性が豊かだと思ったら(← 失礼!)、やはり原作が存在していた。もちろん、その原作をベースに監督が脚本を書きおろしたわけだが。

キム・ジウン監督作品は直近 2 作 (『GOOD・BAD・WIERD』 『悪魔を見た』) とも個人的には面白いと思わなかったので、ようやく見たかったキム・ジウン ワールドに出会えたと思った。

ロボットが人間を超える日はやってくるのか。今だってそんな怖れを抱いている人間。でも、そんな利己的な人間を救済するロボットに思わず涙してしまった。ロボットの声はパク・ヘイル。

(キム・ジウン監督のインタビュー記事訳参照↓)


「ハッピーバースデー」

滅亡に対して希望を抱かせる内容。ゾンビワールドの創世記とはまた違った視点を見せるイム・ピルソン監督。地球は、なぞの彗星との衝突によって救われるとは逆説的で面白い。

ドラマ『太陽を抱く月』 のチン・ジニとドラマ『紳士の品格』 のユン・セアが母娘。リュ・スンス、イ・ヨンウンのとぼけたキャスターコンビも楽しい。成長した女の子は、ペ・ドゥナ。





◆ キム・ジウン監督のインタビュー記事 (私流訳)

CINE 21 元記事
http://www.cine21.com/do/article/article/typeDispatcher?mag_id=69592&page=4&menu=1311234&keyword=&sdate=&edate=&reporter=


“現代ロボット文明の対立地点に仏教がある”

『天上の被造物』 キム・ジウン監督 インタビュー

『천상의 피조물 / 天上の被造物』 で悟りを開いたロボット ‘インミョン (人命)’ は、去る 2009 年提川 (チェチョン) 国際音楽映画祭の公式トレーラーにも登場した。ゴミ捨て場に捨てられていた錆ついたロボットが、ある少女(シム・ウンギョン) のピアノ演奏で目覚めることになるという内容で、独特のコンセプトと映像が目を引いたが、実際にキム・ジウン監督の 『天上の被造物』 が封切りすることになったという。コンベヤーベルトで作られた工業製品が宗教的涅槃と同等の価値をなすという破格的な設定の『天上の被造物』は、映画界のこれまでのテーマに新しい変化をもたらした。常にさまざまなジャンルを渡り歩いてきたキム・ジウン監督としては、初めての SF ジャンルへの試みとしてとらえて差支えない。現在の米国進出作 『ラスト・スタンド』 の後半作業中である彼が再びそのロボットに会うために緊急帰国した。キム・ジウン監督とのインタビューは製作発表会が開かれた去る 3 月 12 日に行われた。


Q: ずいぶん前に製作されたので記憶がぼんやりしている。

KJW: 2006 年 6 月頃クランクアップしたので何と 6 年前だ。出演しているキム・ギュリが当時はキム・ミンソンだった (笑)。今米国で 『ラスト スタンド』 の後半作業の真っ最中であるはずだが、広報のために急遽帰国した。10 週間以内に後半作業を終わらせなければならない。それでもどうしても 『人類滅亡報告書』 を完成した二つの会社とイム・ピルソン監督に報いたくて 1 週間をここに費やすことにした。ある意味、人が捨てた子供を引き取って洗ってもらい、食べさせてもらったことに、その育てた情に報いるべきではないか。 後半作業が 1 週間減ると作品がより良くなるわけでもないけど(笑)。米国に戻ったらあと 6 週間ほどしか残っていないが、ラスベガスでインサート・カットを撮らなければならなくて、とにかく残りの時間を懸命にするしかない。


Q: 『天上の被造物』 には原作があると聞いた。

KJW: 2004 年 ‘科学技術創作文芸公募展’ に当選したパク・ソンファン作家の短編 『레디메이드 보살(レディーメード菩薩)』 が原作だ。ロボットとロボットを作った超巨大資本、そして住職と派遣された修理工の 4 人の話なのに、非常に哲学的な対話だけで成立している。そこに人物をさらに投入して、立体感を作りながら ‘悟りを開くロボットの騒動劇’ として構成した。キム・ギュリは仏教界の立場とインミョンに対する憐憫を代弁し、チョ・ユニはあるモチーフを提供する別のエピソードの人物で登場して、キム・ガンウはただ技術者と見るよりも対話の中間子的視線を有していながら最後に軽い反転を与える。私は巨大な二つの世界の対立という側面から和解を模索する感じで結論付けたかった。


Q: ‘人間を威嚇するロボット’ という主題は、『2001 年宇宙の旅』、『ブレードランナー』 など、映画会社をひっくるめて持続的に変奏されるテーマの中の一つだ。

KJW: 人間が作り出した対象に、逆に支配される世の中が来るという漠然とした不安を扱いたかった。 そこで、より衆議的、多義的に、テクノロジーのエラーがかえって人間が到達できない境地にまで達するいう設定が興味深かった。ロボットを作った会社では人間の能力や哲学を越える高度なロボットを作ろうと ‘インミョン’ を作ったのではないが、そういう ‘故障’ が宗教的には高次元に描かれる。『ブレードランナー』 のサイボーグも存在に対して悩み世の中に対する恐れを抱いているが、インミョンは自身の世界に対しても意味があるという、そういうところろまで超越した存在だ。ふとしたことで発生した ‘故障’ という矛盾が、和解と思慮の視点から描かれている。『2001 年宇宙の旅』 のコンピュータ HAL の威嚇は彼らが自家発展をするという恐怖だ。 インミョンもそういう存在なのに、そうしたロボットが涅槃に入るということが画期的な着眼点だと思った。


Q: インミョンは、そうした被造物に対する暗い問いかけを仏教的世界の中で引き出した。

KJW: 人の視空間をこの世とあの世で分けて生を営んでいく縁起説や輪廻思想は、現代社会のロボット文明論理と対立する最も鮮明な点とすることができないかと。歴史的に構築された西欧思想や理性的で説明可能な世界、そして物質的世界の感覚に対峙するものとして、仏教との衝突のドラマを描きたかった。精神と物質の和解、創造主と被造物の葛藤、そしてロボットと人間の間の境界について、とても深刻でアイロニーな問題を提起しながら、それを生の愚かさ、人間の有限性に対するブラックコメディで解いてみたかった。


Q: 寺院の製作デザインコンセプトが気になる。

KJW: 当時、人類滅亡の兆候として多く扱われた素材は地球温暖化だったので、それと関連して寺の内部を、風通しと温度調節ができる、少し大きめの四角形の構造にした。僧の衣装デザインはチベットのラマ教でヒントを得て製作した。


Q: 作品の情緒的なキーと言えるインミョンのデザインはどこから生まれたのか。

KJW: 人のように顔があって腕や脚があるようにすると、メカニックには明らかに限界がある。基本的にクリス・カニンガムが製作したビョーク(Bjork)のミュージックビデオ 「All is Full of Love」 に登場するアンドロイドやアレックス プロヤスの 『アイ、ロボット』 に登場するロボットのデザインからアイディアを得た。顔は仏の顔から取ってきたものだが、ある時は荘厳で恐ろしく見え、またある時は慈悲深く見える。金属にも感情を入れてたかったということか。人間社会の出来事のいろいろな感情を反映する顔にしたかった。もちろん口も動くようにして、もっとあれこれやってみたかった。ところがロボット製作専門業者に行って、私たちの希望通りに製作するには 5 億ウォン出さなければならなかったらしい。予算上それは不可能だったし、特殊メークチーム ‘セル’ が何日か後に胴と脚を中心に作ってきた。適当に動したり。いけそうだと思ったら、また何日か後には頭が取り付けられ、首も回転したよ。見るたびに変わっていき、1 億 ~ 1 億 5 千万ウォンならば良いだろうと。はじめからそうすれば良かったのにとの後悔を聞きながら(笑)、そうやって現在のインミョンが誕生した。 ‘セル’ は本当に天才だと思った。


Q: インミョンはもともと寺のガイドロボットだったが、仏として崇められることになる。それは結局、人間とロボットとの境界に関連性があり、修養もない身分の低い者がふと悟りを開くという反エリート主義や反選民意識と同じ考え方だと見て取れる。

KJW: そのように考えると新たな問いが生まれるはずだ。映画では、大僧侶が話すように、途方もない忍耐と苦痛が伴う修行を通じてある域に達するべきなのに、インミョンはただ工場で製造されただけなのにそうした境地に達することになる。宗教的な修行まで否定する矛盾に陥ってしまうことだ。そして逆に修行と座禅をより一層強調することもできるので、映画は特定の宗派に基づいているわけではないが、すべての人間は、本来内面に仏の本性を持っていると信じながら修行を通じて自分の内面にある本来の仏を発見して成仏することを最大の目的とする禅仏教の影響が濃厚なのではないのかと思う。

(以降、『ラスト・スタンド』 の話が続くので後略)



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