スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[17th BIFF] 『Helpless / 火車 (原題)』

2012.10.21.Sun.23:45
第 17 回 プサン国際映画祭 Korean Cinema Today: Panorama 部門
『Helpless / 화차 / 火車 (原題)

原題:화차
製作年: 2011 年
製作国: 韓国
監督: ピョン・ヨンジュ
出演: イ・ソンギュン、キム・ミニ、チョ・ソンハ

helpless_poster.jpg

[あらすじ] (参照: innolife
結婚を 1ヵ月後に控え、実家に向う途中でサービスエリアに立ち寄ったムノ (イ・ソンギュン) とソニョン (キム・ミニ)。コーヒーを買いに出たムノを車内で待つ間、ソニョンは一通の電話を受ける。ムノが車に戻ってくると、ソニョンの姿はない。突然消えてしまったのだ。何が何だかわからないムノは、狂ったようにソニョンを探し始めると衝撃的な事実が浮かび上がる。彼女の家は大慌てで片付けたられた痕跡があり、勤めていた会社の履歴書は偽物、そしてソニョンは個人破産者で、免責書類に残っている彼女の筆跡と写真は他人のもの。家族も、友人もいない。一体彼女は何者なのか。ムノは元刑事である従兄弟チョングンに助けを求める。普通ではない事件であることを直感するチョングン。彼はソニョンの失踪が殺人事件と関連していることを本能的に感じる。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、宮部みゆきの大ベストセラー 「火車」 を原作として新たに脚色化された作品となっている。社会背景や年代が異なることもあり、かなりコリアナイズされていて、原作とは別物と思った方がいい。原作の「火車」は、バブル崩壊後の 1990 年代の日本が背景となっているが、本作は現在の韓国のクレジットカード破産が取り上げられている。

また人物の職業や関係も変わっているし、原作にある多くのエピソードがカットされているが、それはリメイクする時点で仕方ないのだと思う。とくに原作では、フィアンセに逃げられた男ではなく元刑事の方が主役であるのに対して、本作では、フィアンセに逃げられた男が積極的に従兄弟の元刑事との共同作業によりフィアンセを捜していく。

また原作と本作では、フィアンセに逃げられた男と元刑事の関係が異なる。原作では、フィアンセに逃げられた男は元刑事の亡くなった妻の甥であるが、本作では男と元刑事はいとこ同士という設定になている。ワタシはなぜか2人が兄弟かと思って見てしまったのだが、それは、2 人が疎遠だというわりにはやけに緊密な連携プレーで謎解きしていたからかもしれない。

本作は、そもそも原作の力強さもあってか、スピード感のある展開と捻りのあるストーリーで惹きこまれ、韓国版 『火車』 としては完成度が高く、非常に見ごたえがあった。

特に、失踪したソニョン役を演じたキム・ミニは、フィアンセに逃げられた男ムノの回想や想像の場面に出てくるような場面設定が多かったこともあり、現実のソニョンと想像のソニョンの間を行き来するという難役を上手くこなしていた。監督によると、ムノの回想や想像に出てくるソニョンのショットは、フレーム枠を少し斜めに構えているのだという。

また、元刑事役のチョ・ソンハが謎解きのストーリーを牽引していたこともあり、ムノが主役でありながら、主役と同じぐらい存在感が大きかった。一方で、元刑事とムノというパラレルな線とともに、ソニョンという存在もあり、一体誰が主役なのか、誰の視点で見るべきものなのか、主役の焦点がややぼけていたのが惜しいところだ。

上映後の Q&A で監督は、「原作ファンからは不評であることは承知の上で設定を変えた」 そうで、「人気作品を原作とする以上避けて通れないこと」 だと語っていた。監督は自他ともに認める日本小説のファンだそうで、製作会社が宮部みゆきの版権を持っていると知り、自ら監督をやりたいと名乗り出たそうだ。

日本のミステリー小説は韓国映画界でもトレンドとなりつつ素材のようだ。



◆ Pros
- コリアナイズを受け入れれば完成度の高いミステリー作品
- 見るべきはキム・ミニの演技

◆ Cons
- 主役の視点が若干ぼやけている


 
コメント

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。