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[17th BIFF] 『The Winter of the Year was Warm / 私が告白したら (原題)』

2012.10.22.Mon.14:51
第 17 回 プサン国際映画祭 Korean Cinema Today : Panorama 部門
『The Winter of the Year was Warm
/ 내가 고백을 하면 / 私が告白したら (原題)


原題: 내가 고백을 하면
製作年: 2012 年
製作国: 韓国
監督: チョ・ソンギュ
出演: キム・テウ、イェ・ジウォン、アン・ヨンミ

the winter is warm

[あらすじ]
インソン(キム・テウ)は週末になると江陵を訪ねる映画製作者兼監督。いい宿泊場所がないとぼやくすインソンは、常連のカフェで、インソンの映画を酷評するユジョン (イェ・ジウォン) と出会う。訪問看護師のユジョンは江陵出身だが、週末になるとソウルに出向き、文化的な生活を楽しんでいるが、やはり宿泊場所に苦労している。宿泊する場所がないという共通する問題を抱える二人は、少し躊躇いながらも、結局週末だけ互いの家を相手に明け渡すことに合意して、実行に移すことになる。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、ソウルでの生活に疲れて江陵を訪れる映画製作者兼監督と、文化的生活を求めて週末ごとにソウルへ出てくる訪問看護師の 2 人が繰り広げる、オフビートでクスっと笑える愉快な男女の関係を描いたドラマである。

この 2 人がどのように出会い、どのように関わるのかという、ごくありふれた男女が寄り添っていく過程をを切り取って見せたような物語になっている。出会ったものの、週末にハウスエクスチェンジをすることにして、週末は互いにすれ違いながらも、なぜか互いに気になる... さてこの男女には何かが起こるのか。それとも何も起こらないのか...。

この主演の男女を演じるイェ・ジウォンとキム・テウの息はぴったり合っていて、というより、役柄がぴったりなのだ。キム・テウは、ホン・サンス監督作品でも映画監督など映画業界関係者の役柄が多いので、何の抵抗もない。そういえば、この作品はちょっとホン・サンス監督作品に共通するものがあるように感じる。たとえば、劇中の時間の流れ方とか。

ユジョン (イェ・ジウォン) がソウルで通う映画館は、チョ・ソンギュ監督が実際に経営している光化門のスポンジハウス。そこは単館系の劇場で、ワタシも何度か一人で行ったことがあるのだが、ユジョンの行動がなんとなく他人ごとに思えない。

2 人とも 30 代で、もう若さを謳歌するような年齢でもなく、目の前にある現実もよくわかっている。日常にやや疲労さえ感じるので、終末はどこかへ逃避したいのだ。そして、2 人とも互いのことが気になっているにもかかわらず、それが恋のトキメキであることさえ認識できないまま、もどかしい時間だけが流れて行く。

インソンは、ユジョンの事が好きなのかどうかさえわかっていない。インソンとユジョンの間にはスキンシップというものがない。2 人の間に何が交わるのかというと、おそらく視線だけだろう。いい年をしてスキンシップがないからと言って、それはプラトニックラブということではないと監督は言っていた。あくまでも、恋愛が始まる前の過程を描いているのだという。

そして監督はこの作品を slow film だと言っていたが、slow food みたいでなんだか健康に良さそうな感じの映画だ。ドラマティックな盛り上がりもなければ、気の利いた設えがあるわけでもなく、ただ海辺を散策し、都会の映画館に座るというなにげない行為など、日常に埋もれた中に潜んでいる密やかな感情や息遣いが静かに描かれている。

もしかしたらインソンには、監督自身が映し出されているのかしら。個人的には好きな作品だが、男女の運命的な愛の物語を想像すると裏切られ、退屈に見えるかもしれない。



◆ Pros
- 静かに、スローに、男女の息遣いが聞こえてくる抒情的作品
- キム・テウとイェ・ジウォンのケミストリー

◆ Cons
- ドラマティックな展開を望むと裏切られる

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