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[17th BIFF] 『A Year of the Quiet Sun / 太陽の年』

2012.10.23.Tue.15:14
第 17 回 プサン国際映画祭 Special Programs in Focus 3
Poland in Close-up : The Great Polish Master
『A Year of the Quiet Sun / 太陽の年』

原題: Rok Spokojnego Slonca
製作年: 1984 年
製作国: ポーランド / アメリカ / 西ドイツ
監督: クシシュトフ・ザヌーシ
出演: マヤ・コモロフスカ、スコット・ウィルソン、ハンナ・スカザンカ、

year_of_the_quiet_sun.jpg

[あらすじ] (引用: MovieWalker
46 年のポーランド。戦争で夫を亡くし、クッキーを焼いて足の悪い母 (ハンナ・スカザンカ) を養っているエミリア (マヤ・コモロフスカ) は、ある日戦争の後遺症に悩むアメリカ兵ノーマン (スコット・ウィルソン) と出会った。次第に2人は好意を抱きあうが、厳しい状況の中では、2 人の幸福に暮らしたいという望みすら実現困難である。裁判所による夫の死亡宣告がない限り再婚できないというエミリアに、ノーマンはいつまでも待つと彼女を抱くのだった。娘の幸せを願いつつ母は死に、エミリアは彼女が自分だけを出国させるつもりだったことを知り深いショックをうけ、同時に国を離れない決心をした。そして何も知らないノーマンは、エミリアに誘われるまま別れのダンスを踊るのだった。64 年、修道院の老人ホーム。すっかり白髪になったエミリアは、院長からアメリカヘ出発できることを知らされる。しかし荷物を持って部屋を出ようとした時、エミリアはよろめいたまま倒れ込んだ。今彼女の目には、アメリカの荒野からやってきたノーマンと、あの日踊ったダンスの光景が浮かびあがるのだった。

1984 年 ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作の舞台は、混乱する第二次世界大戦後のポーランド。台頭する共産党政府下での庶民の生活を詳細に照らし、アメリカ兵とポーランド人女性の恋物語を基軸に、「西」 へ逃がれようとする人々の希望をすくい取った作品である。

共産党員が、貧しい暮らしの人々がようやく貯めたわずかな金をも巻きあげたり、ナチスの売春宿で働くことで生き残ったユダヤ人売春婦が西への逃亡を斡旋したりするエピソードを交えながら、英語を理解できないポーランド人女性とアメリカ兵の身振り手振りのコミュニケーションから、愛の物語が始まる。しかし、その行方が薄暗い社会情勢が示唆している。本作はカラー作品だが、なぜかモノクロを見たような印象を残すのは、そうした暗雲ゆえなのかもしれない。

このラブストーリーは、人生の酸いも甘いも経験している中年同士の男女ということもあり、言葉が通じず、思うように対話もできないにも関わらず、互いへの敬意が感じられことさら気品にあふれている。

困難、苦痛、絶望の中から見出そうとする幸せ、誰にでも幸せになる権利はある... と、人間が普遍的、根幹的に求めるものに対する、ひたむきで純粋な姿勢が引き出され、感傷に浸りすぎてもいない。

エミリアは祖国を離れるが、難民としてまた祖国に戻ってくる。国という組織体が個人にどんな仕打ちをしようとも、人々は故郷に想いを馳せ、故郷の地を忘れることはない。この作品には、そうしたノスタルジーと切り離すことができない。

上映後の Q&A に登場した監督は、「人生は叶うことのない夢で満ち溢れている。あらゆる出来事によって苦悩し、苦悩のない人生などない」 と語っていたが、本作は、その言葉をそのまま体現しているようでもある。


◆ Pros
- ロマンスの根幹を味わう
- ノスタルジーを誘う映像







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