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[17th BIFF] 『The Begininng and The End / 始めと終わり』

2012.10.24.Wed.17:20
第 17 回 プサン国際映画祭 Special Programs in Focus 4
Arturo Ripstein : Four Stories of Captive Minds
『The Begininng and The End / 始めと終わり』

原題: Principio y fin
製作年: 1993 年
製作国: メキシコ
監督: アルトゥーロ・リプステイン (リプスタイン)
出演: Ernesto Laguardia, Julieta Egurrola

Principio-y-Fin.jpg

[あらすじ]
メキシコの中流階級のボテロ一家は、大黒柱だった父親の死後、貧困にあえぐ。母イグナシオ(Julieta Egurrola)は、末っ子のガブリエル(Ernesto Laguardia)を守るために、他の子どもたちを犠牲にすることを決心する。イグナシオは、優秀なガブリエルが社会でのし上がり成功して、失った財産を取り返すと信じている。しかし運命の歯車は、ボテロ一家に予期せぬ不幸をもたらすことに。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

本作は、ノーベル文学賞を受賞したエジプト人作家 Naguib Mahfouz の小説を原作としている。

とある家族が大黒柱を失った後、貧しさに陥るが、なんとかどん底生活から這い上がろうと母親は、自分の子供のうちもっとも出来のよい末っ子をエリートにすることを希望の光として、他の子供たちを犠牲にする。

長男は呑んだくれで職もないため家から追い出され、場末の酒場で歌手に。二男は父親の人脈で遠い地方で働くことを余儀なくされるがそこで年上の未亡人と恋に落ち、長女は嫁に行けるほどの器量がなく家で洋服を仕立てているが娼婦に身を落とすことに。

生活のためとはいえ、母親のエゴとも思える家族愛が、家族全員を狂わせていくスト―リーに惹きこまれた。ガブリエルをエリートとして成功させ、家族の栄光を取り戻すために、他の兄弟は犠牲に強いられるわけだが、彼らは 「家族」 か 「自分の人生」 か選択を迫られているわけだ。もちろんガブリエルも、家族を支えなければならないという、大きな負担がその肩にのしかかる。

リップステイン監督の作品特有のエキセントリックなテイストがあふれていて、一度歯車が狂うと、さらに別の歯車が狂い、不幸の連鎖が続いてしまうのだ。這い上ろうとすればするほど、蟻地獄にはまっていくようだ。問題は、かれらが蟻地獄にはまっていることを認識できていないこと。あまりに必死であるがゆえに見えていないのだ。

「変わった家族」 の物語とひとくくりにしてしまうのは簡単なのだが、貧しさが人を狂わせてしまうという典型的な悲劇を家族という単位を通して語りかけているようだ。豊かであっても貧しくても、どんな家族もサグラダファミリア、つまりかけがえのない聖家族なのだ。


◆ Pros
- エキセントリックなテイストを楽しむ
- 家族とは何かを考えさせられる



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