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[25th TIFF] 『木曜から日曜まで』

2012.11.20.Tue.17:43
第 25 回 東京国際映画祭 WORLD CINEMA 部門
『木曜から日曜まで』

原題: De jueves a domingo
製作年: 2012 年
製作国: チリ=オランダ
監督: ドミンガ・ソトマイヨール
出演: サンティ・アウマダ、エミリアーノ・フレイフェルド、フランシスコ・ペレス=バネン、パオラ・ジャンニーニ

from thursday to

[あらすじ]
木曜日の早朝。4 日間のドライブ旅行に出かける家族。両親は荷物を車に運び、眠そうな子供たちも車に乗り込む。そして、延々と続く道を進む車の中で、少女と少年はじゃれ合うが、10 歳の少女ルシーアは両親の不仲に気付き始め、このドライブの目的を悟ることに。

ロッテルダム映画祭 Tiger Award (作品賞) 受賞

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、4 日間の家族旅行を 10 歳の少女の視点でみつめるロードムービー。とにかく全編ほとんどが車内の映像で、長廻しのロングショットが続く。

車内でふざけ合う子供たち。どこに向かって進むのかわからないわけだが、ドライブが進むにつれて、窓の外の景色がだんだんと荒涼としていく。この幸せそうな家族の破綻を象徴しているかのようで、見ている方も不安になってくるが、少女の目も不安げになっていく。

ただ車内の時間はとても遅々と進んでいく。なんという漠然とした、何も起こらない時間なのだろうかと。見かけは淡々と素朴にみえるだが、両親の心の中はうごめいていて、それが少女に伝わっているのだ。

監督いわく、チリは南北に細長い土地なので、ドライブは北から南へ、あるいは南から北へのルートしかないそうだが、なるほど道はほぼまっすぐに伸びていたような気がする。

ラストシーンは、砂と岩しかころがっておらず、風を遮るものが一切ない、果てしなく荒れ果てた風景。この風景にたたずむだけで、不安をかきたてられそうで、今すぐ引き返したくなる。

普通、ロードムービーには旅の風景を楽しむというような側面もあるが、この作品に限っては、風景を楽しむというより、風景の先に何か怖ろしいものが潜んでいるような不透明感と不安が満ち溢れている。

「旅」 は現実からの逃避でもあり、人生の何かを変えてくれる分岐点にもなりえる。しかし実は旅は幻想なのかもしれない。

子供たちにとってのこの旅は単なる楽しい家族旅行であったはずだが、旅が思いがけず自分の人生を左右するものなるとは思いもよらないし、それは子供の理解を越えるものだろう。それでも、両親の別離という現実を旅によって受け入れなければならず、少女ルシーアはそれを心の中でどう処理するのだろうかと気が気でない。

ラストの荒涼としたシーンは絶望のようなものも感じるが、それでも車は走り続けるのだから、やはり日常生活はこれからも続いていくのだろう。何かが少し変わったからと言って、日常は止まらないということのようだ。



◆ Pros
- 少女の目を通した繊細な家族のロードムービー
- チリの荒涼とした風景を堪能

◆ Cons
- ロングショットの多用がやや退屈

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