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サバイバル朝鮮絵巻... 『後宮: 帝王の妾 (原題)』

2012.12.25.Tue.23:31
『후궁:제왕의 첩 / 後宮:帝王の妾 (原題)
韓国版 DVD

原題 : 후궁:제왕의 첩
製作年 : 2012 年
製作国 : 韓国
監督 : キム・デスン
出演 : チョ・ヨジョン、キム・ドンウク、キム・ミンジュン、パク・チヨン、チョ・ウンジ、イ・ギョンヨン、パク・チョルミン、アン・ソックァン

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[あらすじ]
シン家の令嬢ファヨン (チョ・ヨジョン) は、恋仲だったクォニュ (キム・ミンジュン) と別れて後宮に入る。王の異母兄弟であるソンウォン大君 (キム・ドンウク) もまたファヨンを愛していたが、兄嫁となった彼女をどうすることもできず、都を離れて放浪する。実は、ソンウォン大君の母親である大妃 (パク・ジヨン) が、ファヨンにぞっこんの息子を快く思わず、跡継ぎのいない現王の後宮としてファヨンをあてがったのだ。5 年後、王の崩御とともにソンウォン大君は王位に就く。摂政の名目で大妃が先王の勢力を処断する中で、ファヨンも宮中で苦境に陥ることに。無能な王だが彼女を何とか手に入れようとするソンウォンは、ファヨンから、王としてなすべきことをするのであれば自分の元へ来てくれと言われる。一方、内侍となって入宮したかつての恋人クォニュはファヨンに恨みを抱いているのだが...

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、朝鮮時代の宮廷と欲情の物語であり官能色の濃い作品であるが、徹底した 「欲情」 とともに人間のあさましいエゴが描かれている。

舞台は朝鮮時代。先王が死去し現王を中心とした権力構図が変化すると宮中は混沌とする。先王の妾であったファヨンは、自分と自分の息子の身の安全に測り知れない恐怖を感じるのだ。ファヨンはそうした恐怖に立ち向かい、自分を愛する王の心を利用して宮の権力関係をくつがえす陰謀を繰り広げていく。

後宮に入ったがために定めれた運命とはいえ、ファヨンは自身を亡き者にしようとする人々と同じ人間となってしまう。宮は欲望が渦巻く地獄のようなものである。

どうしてもファヨンを手に入れたい王。
王を意のままに操りたい大妃。
ファヨンに裏切られ、宦官に身を落とすことになったかつての恋人。
息子を守り、宮中で生き残ろうとするファヨン。

この 4 人の宮中サバイバル劇の様相を呈している。だいたい王権が交代すると権力抗争と粛清が始まるというのは、この朝鮮絵巻の定番。とくに王の実母である大妃が、我が子可愛さのあまり、悪役になるという設定も定番である。

この作品では、権力欲と愛欲という 2 つの欲について描かれる。面白いのは、権力欲に憑りつかれているのは女の方で、愛欲に憑りつかれているのは男の方だ。結局、男は 2 人とも、自分の愛を女に利用され果ててしまうことになるのだ。母として息子を王座に就かせるための女の執念を侮ってはいけない。この宮廷劇は、愛欲と権力欲のバランスの見せ方が実に秀逸で、この R 指定の内容は決して TV ドラマ史劇で見ることはできず、映画ならではの面白さかもしれない。

また、美術や衣装にも注目したい。朝鮮王朝のセットはだいたい似たりよったりのものだが、この作品の宮廷はケバケバしい色彩もなく、余計な派手な調度品もなく、落ち着いた造りになっている。柱、窓の枠、扉、板といった木材の質感が際立つ。衣装は、モダンテーストで幻想的な雰囲気を漂わせている。

過激な官能シーンだけが取りざたされている作品だが、ストーリーもシンプルながらラストの反転も小気味よく、丁寧な描写で見ごたえがあった。

チョン・ヨジョンの脱ぎっぷりも潔く、演技も淡々としていて好感が持てる。何と言っても、これまでスイートな役回りの多かったキム・ドンウクが、愛に飢えた狂気の王を演じており、胸に迫るものがあった。



◆ Pros
- 徹底して欲を描いた宮廷劇
- 美術と衣装にも注目を



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